「動画を見て『いいね』を押すだけ」「コピペするだけ」——スマートフォンの簡単な作業で稼げるとうたう副業のトラブルが全国で相次いでいる。国民生活センターは5月19日、「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」と題した注意喚起を公表し、20〜30代を中心に被害が急増しているとして警戒を呼びかけた。SNSの広告からメッセージアプリに誘導するのが典型的な入り口で、スマホ一つで誰でも巻き込まれ得る身近な問題になっている。
同センターに寄せられた相談事例では、SNSで「簡単に稼げる」という広告を見た20代女性が、指示どおりに動画へ「いいね」を押す作業を3日間行い、報酬として約2500円を受け取った。ところがその直後、「タスクに失敗したのでグループの連帯責任になる」と告げられ、約50万円の入金を要求されて支払った。その後も名目を変えた請求が次々と続いたという。最初に少額の報酬を実際に支払って信用させ、後から高額の振り込みを求めるのが共通した流れだ。
さらに悪質な事例では、事業者の指示で遠隔操作アプリをインストールさせられ、消費者金融数社からの借り入れと、借りたお金を暗号資産に替えて送金する手続きまで行われていたケースも報告されている。「返済は不要」と説明されていたのに、数カ月後に消費者金融から督促が届き、借金だけが残ったという相談もある。
同センターは、①「簡単に稼げる」「もうかる」という広告をうのみにしない②住所や銀行口座などの個人情報を安易に教えず、遠隔操作アプリを求められても入れない③お金を稼ぐはずなのに振り込みを求められたら、言われたとおりに支払わず消費生活センター等に相談する——ことを呼びかけている。いったん振り込んでしまうと、被害の回復は難しい。
実際に出回っている副業広告の内容を個別に検証しているウェブサイト「副業スクープ」は、公的機関の窓口も含めた副業・投資トラブルの相談窓口ガイドを公開しており、勧誘の手口や契約後の対処法を調べる際の参考になる。
不審な勧誘を受けたときや、支払ってしまった後の相談は、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると最寄りの消費生活センターを案内してもらえる。越谷市立消費生活センターや草加市消費生活センターなど、県東部の各市にも相談窓口がある。詐欺の疑いが強い場合は、警察相談専用電話「#9110」も利用できる。