吉川市

吉川/長寿2人に肖像画

長年貢献 今年で最後 吉川の画家 篠田さん 29日から展覧会

吉川市の中原市長の立ち合いの下、高齢
者に肖像画を贈った篠田さん(前列右)
吉川市の中原市長の立ち合いの下、高齢者に肖像画を贈った篠田さん(前列右)

 吉川市在住の画家、篠田草風(そうふう)(本名・照夫)さん(84)が「敬老の日」の9月16日、市内の高齢者2人に肖像画を贈った。1989年、当時の町長に「画家として町に貢献したい」と提案したのが始まりで、毎年2人ずつ描き、今年で35年目、計70人に贈呈してきた。ただ、残念ながら贈呈は「一つの区切り」として今年が最後となった。
 篠田さんは、現在の長崎県雲仙市生まれ。高校卒業後、神奈川県横須賀市の牛乳販売店で働きながら絵画の勉強をした。70年、画家として独立し、2007年の全日本肖像美術協会主催の「第54回全日肖展」では内閣総理大臣賞に輝いた。吉川には1972年から住み始め、地元に貢献してきた高齢者に肖像画を贈ることを思いついたという。
 「絵には人間性を入れなければならない。人物を知ることが大切」と、届いた写真とプロフィルを見て、3週間ほど熟考してから筆を執り始める。楽しみながら描いてきたのが長く続けられたゆえんだ。
 最後の対象者となった宮﨑初枝さん(82)は「こんなにすてきに描いてもらえてうれしい」と喜び、小林次男さん(93)は「健康の秘訣(ひけつ)は外に出ること。自分の身の回りを整えることを大切にしている」と話した。
 同市では、篠田さんへの感謝イベントとして、「篠田草風先生の肖像画展~35年の感謝を込めて~」を10月29日~11月2日、同市役所1階コミュニティルームで開催する。
<問い合わせ>
吉川市長寿支援課☎982・5118