吉川市

吉川/「健康に育って」 弓に祈願

香取神社で新年伝統行事「弓取式」

吉川市の香取神社で行われた「弓取式」で弓に触る弓取児
吉川市の香取神社で行われた「弓取式」で弓に触る弓取児

 吉川市の香取神社で正月7日に行われる「弓取式」は、本吉川地区の氏子たちの無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を願い、古くから伝えられてきた新年の伝統行事です。
 この1年に生まれた「弓取児」と呼ばれる赤ちゃんに弓を触らせ、健康に育つよう祈願します。同市内で盛んな「御歩射(おびしゃ)」行事の中でも、高富地区の蕎高神社の「あられまき」と並んでユニークなもので、市や県の無形民俗文化財にもなっています。
 ここ数年はコロナ禍で神殿での神事だけでしたが、今年は3年ぶりに弓取児を招待して正式な弓取式を挙行。当番区の本吉川2区自治会長、瓦金次郎さんと宮世話人の篠田忠夫さんの連携で、当番区の総力を挙げました。
 神殿での神事の後、境内の今年の鬼門の方角に取り付けた、通称「カラスの的」に戸張宮司と当番区の宮世話人が矢を放ち、無病息災と五穀豊穣を祈願。続いて、申し込みのあった4人の弓取児の中から、当番区内の野田惟楓(ゆいか)ちゃんが先頭を切って、戸張宮司の介添えを受けて矢を射るしぐさをし、ほかの弓取児も続きました。さらに、氏子の自治会役員たちが2回ずつ2本の矢を放ち、弓取式は無事終わりました。
 惟楓ちゃんのお父さんの滉貴さんは「この子が平和な世の中で素直で健康な子に育つように願いを込めました」と笑顔で話してくれました。 (戸)