吉川市の障害のある人たちの絵(イラスト)、工作、写真を集めた「障がい者アート展」が、7日から15日まで同市役所1階で開かれた。
絵部門では、低学年の子どもたちが収穫したゴーヤ、オクラ、ナスを使ってスタンプをポンポン押した「野菜スタンプの花畑」や、ナマズとツツジで吉川市の形を描いたものなどが目を引いていた。工作部門では黄色いヒマワリだけではなく、好きな色を使い青や赤で花を作った作品が展示された。楽しそうに制作する様子が目に浮かぶような作品だ。また、生活介護事業所「よりみちA」は、吉川のシンボルのナマズをモチーフにした巨大「黄金ナマズの親子」を、施設の仲間と協力して工作していた。
ほかには、毛糸で小さな鳥とカゴを細かく作った作品が来館者の注目を集め、「がんばりません」「金がねえ」などの書道は笑いを誘っていた。
このイベントは一昨年開催された「障がい者スポーツアート展」が始まり。当時、コロナ禍でほとんどのスポーツ行事が中止になったため、同市が文化芸術を政策として推進していることもあって開催した。スポーツに関連したものなら何でもよく、スポーツ写真や絵、走っている姿の粘土細工などが展示された。それが好評だったことから、「障がい者アート展」と名称を変えて、昨年から開催している。
出品数は昨年の36点から今年は46点に増えた。「アート展が浸透して、広がってきている」と障がい福祉課の程田浩司さん(52)は言う。アンケートでは「力強さを感じる」「独特で面白い」などのコメントが寄せられているという。
11月4日には、部門ごとに優秀賞3点と市長賞3点が選出され、授賞式が行われる。市民賞は、同市ホームページと会場に設置された投票用紙からの応募で選出される。
「どれも個性が出ていて良い。どの作品が受賞するのか楽しみ」と同課の砂川正樹さん(60)は話していた。