任期満了に伴う八潮市長選と市議選(定数21)は、29日告示、9月5日投開票される。
市長選では、3選を目指す現職の大山忍氏(64)(無所属)と、新人で同市議の郡司伶子氏(77)(同)=共産推薦=の2人が出馬を表明しており、一騎打ちの公算が大きい。一方、市議選は現職14人、新人11人、元議員3人の計28人(20日現在)が立候補を予定している。
期日前投票は30日から9月4日まで。八潮メセナ展示室と八潮メセナ・アネックス多目的ホールの2か所で、午前8時30分から午後8時まで行われ
る。
6月1日現在の選挙人名簿登録者数は7万5529人。
大山 忍氏(おおやま・しのぶ、写真・右) 市長。元県議。成蹊大学工学部卒。衆院議員秘書、県議を経て2013年9月八潮市長選に初当
選。現在2期目。八潮市体育協会会長などを歴任。「新しい八潮を創る市民の会」政策委員長。家族は母と弟。
<地域経済活性化を推進>
「アフターコロナ、ウィズコロナ、ポストコロナを見越した地域経済活性化など、責任を持って進めていく必要がある」と3選を目指して出馬表明した。
まず、取り組みたいのは、「2期目に進めていた『住みやすさナンバー1への第2章』に『安心、しなやか、多彩』を組み入れ、更に促進させること」と熱く語る。
成蹊大学工学部卒業後、機械メーカー勤務を経て、1986年から12年間、衆院議員秘書を務めた。97年に八潮市に戻り、実家の家業を継ぐ。2000年に県議選で初当選。4期13年間務めて13年に辞職。同年9月、八潮市長選に立候補し初当選。17年には無投票で再選した。
「昨年1月、国内で新型コロナウイルスの感染者が発生し、行政が対応に膨大な力を注ぐことになった」とし、「感染症拡大防止は最優先して取り組むべき課題」とする。
また、「貧困や格差拡大への対策には迅速な対応が必要」と述べ、「脱炭素、プラスチックごみを始めとする環境対策への対応」も
重要課題とする。
「いかなる災害が発生しようとも市民の生命を最大限守り、迅速な復旧と復興ができる『しなやかさ』をもって市民の安全・安心を守るように備える」と強調している。
「今一度、まち、人、社会の『健康』をテーマとして市政を強力・迅速に進めていきたい」と3選への意欲を燃やす。
郡司 伶子氏(ぐんじ・れいこ、写真・左) 市議7期目(福祉環境常任委員)。北海道立芦別高校卒。1993年、日本共産党公認で八潮市議選に初当選。同党埼玉東部南地区委員。殺処分ゼロを目指す「にゃんクラブ」役員。家族は夫と母、猫20匹と犬1頭。
<市民第一のやさしい街に>
「市民の声が行政に届い ていない。市民第一のやさしい街に変えたい」と出馬 を表明した。
市議7期目の任期満了を 目前に、後継者も見つかり引退を考えた矢先、八潮市内の小中学校で大規模な食中毒が発生した。
「昨年 11 月、『学校給食 審議会』の答申が出たが、 答申が具体化されていない。新庁舎も同じ。市民の意見を聞いたというが、反 映されなければ聞いてい いのと同じ」と語気を強める。
市議に初挑戦した1993年、演説をしている時に、子どもから「おばちゃん、頑張って温かい給食にしてね」と声をかけられたのが忘れられないという。
北海道芦別市生まれ。道立芦別高校卒業後、バスガイド、製造会社勤務などを経験。結婚後、八潮市(当時は八潮町)へ。八潮市議に初当選して以来、7期目を務める一方、動物の殺処分ゼロを目指す動物愛護団体役員も務める。
同市役所新庁舎の建て替えについては、「コロナ禍においては保健センターを別建てにすべき」「ホテルのような豪華な、もしくは動線の悪い庁舎は必要か」とし、「耐震性の面から見て建て替えは必要だが、設計の見直しも含め、シンプルでコンパクトなものを」と主張する。
「市政のトップに女性の視点を」と訴え、「市民の声を生かす市政」「やさしい街やしお」をテーマに掲げている。