「没後、後任の人が『八楽』という名を欲しがる人物になれれば」と笑う。
行田生まれの草加育ち。草加市立氷川小、谷塚中の頃は勉強が苦手で、いじめられっ子。漫画や小説などを読みあさり、草加西高校時代は図書室に入り浸り。お気に入りは「シャーロック・ホームズ」。「お題をいただいてから紙を切る『紙切り』に必要な、文字から絵を想像する力が養われていた時期」という。
高卒後、18歳で父の林家二楽氏に弟子入り。2019年9月、21歳で前座に昇進した。
しかし、20年に新型コロナウイルスの影響で仕事が激減。翌年7月、東京・中野の劇場で初の紙切りの勉強会を開くが、集まった客はたった3人。「これまで人が集まる場で前座をしてて気づかなかったが、人気がないとわかった瞬間。ショックだった」。
2か月後の2回目は地元草加の「今様草加宿」で開催。以後、徐々に来場者が増え、多い時は約40人入ることも。今年11月1日に「紙切り」に昇進し、本格的に活動をスタートさせた。「地元で育ててもらえた」と喜ぶ。
来場者からのリクエストは多種多様。「ペキニーズ」「ワールドカップ」などの注文も。「ペキニーズは犬だが、すぐ頭の中でイメージ出来なかった。料理名かと思った」。ワールドカップは「ワンカップと聞き間違えた」と苦笑い。
「そうした部分も楽しみつつ、日本の伝統文化の紙切りを楽しんでもらいたい」と話している。