草加市は8月31日、ホテルや建築・不動産事業の「デベロップ」(本社・千葉県市川市)と「武蔵野銀行」(本社・さいたま市)の両社と、「災害時における移動式宿泊施設等の提供に関する協定」を締結した。
この協定により、同市は災害の発生時などに「デベロップ」が所有する〝移動式宿泊施設(レスキューホテル)〟の提供を受けて、公用地に設置して使用することができる。また、公用地が使用不能の場合には、武蔵野銀行から設置候補地を紹介してもらうことができる。同銀行は市民への周知や啓発にも協力する。
これまで災害時に遠方の自治体から派遣された職員の「宿泊場所」の確保が課題とされていたが、今回の協定でそれが解消されるものと期待される。
移動式宿泊施設は、広さが13平方㍍の「コンテナモジュール(物流で使われていたコンテナを再利用した建築物)」1台を1部屋とした独立型の施設。通常時にはホテルとして使用され、シングル、ダブルの2タイプがあり、ユニットバスや冷凍冷蔵庫、電子レンジ、空気清浄機などが全室に備えつけられている。
武蔵野銀行の長堀和正頭取は「今年2月に締結した包括連携協定に基づき、レスキューホテルを紹介した。有事の際、皆で乗り越える態勢を作りたい」とし、デベロップの岡村健史代表は「有事に備えて準備を進める」と話す。
浅井昌志市長は「本市は宿泊施設が少ないので、協定が災害対策強化や市民の『安心・安全』の大きな支えになれば」と述べた。