公益財団法人草加市文化協会は昨年10月から、俳人の長谷川櫂さん(68)を講師に招き、講座「草加松原でよむ『おくの細道』」(全5回)を開講してきたが、このほど、最終回の吟行・句会を行った。
講座で長谷川さんは、自身の著書をテキストに、江戸の細道の旅の行程、芭蕉の心情、各地で詠んだ俳句の背景などを解説した。
草加市吉町の会社員、西川由子さん(54)は「時代背景や旅の空気感、芭蕉の人柄などを理解して鑑賞することが大事とわかった」と感想を話していた。
最終回は、長谷川さんも参加して、俳句初心者や経験者ら14人が、国指定名勝「草加松原」を散策しながら、1人5句をつくり投句して互選した。長谷川さんが選んだ特選3句も発表した。
長谷川さんは、「みんながわかる言葉を使うことが大事。季語の配置で句が締まったり、花びらの落ち方で時間を表わしたりできる」とアドバイスした。
長谷川さんの特選句は次の通り(敬称略)。
▽「芭蕉像の視野の中なり梅は実に」島村喜美子▽「蕉翁の肩に四月の陽の燦々」上山辰子▽「花ふぶく芭蕉の空へ雀どち」沼崎邦子。