令和6年度の「草加市文化賞」に俳人の故・黒田杏子さん(享年84歳)が選ばれ、11月29日に同市役所で授与式が行われた。
式では夫の勝雄さんが賞を受け取り、杏子さんの思い出を語った。最後に「句集を市に寄贈するので、皆さんが俳句に親しんでもらえたらありがたい」と謝辞を述べた。山川百合子市長は「文化芸術の振興に尽力し、大きな足跡を残した、日本を代表する俳人」とし、「杏子さんが歩んできた道を市も進んでいく」と話した。
黒田杏子さんは1938年生まれ。東京女子大学入学と同時に俳句研究会「白塔会」に入会。俳人・山口青邨氏に師事し、同氏主宰の俳誌「夏草」に参加した。卒業後は博報堂に入社し、10年ほど俳句を中断したが、30歳を前に再び青邨氏に入門し、活動を再開した。90年には俳誌「藍生」を創刊し、主宰を務めた。
また、現代俳句大賞など数多くの賞を受賞。2013~20年には「奥の細道文学賞、ドナルド・キーン賞」の最終選考委員を通算4回務めるなど、草加市内での文学賞や俳句大会の成功に尽力し、長く同市の文化芸術の振興や市民文化の向上発展に貢献したことなどが高く評価された。
同賞は市の文化・スポーツ振興に貢献し、功績が特に優れている個人や団体に贈られるもので、88年度の制定以来、受賞者は黒田さんで30人目。