大学生英語弁論大会
草加市の獨協大学でこのほど、「第59回天野杯 全日本大学生英語弁論大会」が開かれ、東京大学教養学部2年生、芦田幸来さん(20)が「From One Dimensional to Three Dimensional(一次元から三次元へ)」で天野杯を受賞した。
芦田さんは、2021年1月に起きた、当時のトランプ大統領の支持者による連邦議会議事堂襲撃事件を取り上げた。アルバイト中に出会ったトランプ氏支持者の米国人の印象を踏まえ、近年、特に政治的な部分で、自分たちと同じ考え方を持つグループと反対のグループとで敵対的になっているとして、固定観念は憎しみ、差別、暴力につながる可能性があると強調した。そこで、①証拠に基づくものか固定観念なのかを自分自身に問いかけ、認識すること②自分の仲間とは異なる人たちと多くの交流を持つことの二つを、今の時代を生き抜く思考法として提示。他人を一次元、一面的として見る思い込みを排し、三次元的、多面的に観察すべきだと結論付けた。
審査員からは特に即興形式の評価が高く、「構成の基本に忠実な論理展開を行った。落ち着きを感じさせる雄弁さと、丁寧な言葉選びにより、細かな情景や心情描写によって多くの聴衆を魅了した」と高い評価を受けた。
山本さんは「準備型や即興型のスピーチは初めて」とし、「とりわけ有意義だったのは、他の7人の個性あふれるスピーチを聞き、私自身の生活に生きるようなアドバイスに触れることができたこと」と語っていた。
この大会は同大初代学長、天野貞祐の名を冠し、全国三大学生英語弁論大会の一つに数えられている。