コロナ禍でマスク着用が日常化し、マスクをしていない人へ過度な注意を促す“マスク警察”といった過剰反応も見られる。そうした中で、草加市は7日から、「マスクをつけられません 缶バッジ&カード」を必要な人たちに配布している。特に、発達障害や感覚過敏、皮膚や呼吸器の病気、アレルギーなどを持った人たちは、必要とわかっていてもマスクを着用することができない。ところが、そうした事情は外見ではわからないため、他人の冷たい視線を浴びることが多い。このため、同市や関係者らは「マスクを着用できない人たちへの理解が広がれば」と、バッジとカードの効果に期待している。
「マスクをつけられません 缶バッジ&カード」は市民からの要望などもあったため、製作された。
配布の対象は市内在住、在学、在勤者で、やむを得ない事情でマスク着用ができない人となっている。
スチール合金製の缶バッジは、直径4・2㌢のクリップタイプ式。着脱のしやすさや、子どもも使うことを想定し、安全に使用できるよう配慮したという。
デザインは「マスクをつけられません」の文字の下に、×印のついたマスクを持った女の子が描かれている。
一方、カードはバッジと同じデザインで名刺サイズ。ネームホルダー(名刺などを入れて首から下げるプラスチック製のケース)に入れて使用ができるようになっている。背景は黄色と緑色の2色でリバーシブル仕様。利用者の好みで表裏を選ぶことができる。
また、カードは市のホームページからダウンロードして使用することもできる。
「マスクをつけられません 缶バッジ&カード」は、同市役所の障がい福祉課、子育て支援課の窓口と、同市松原の子育て支援センターの3か所で無料配布している。500個製作し、配布は1人1個まで。無くなり次第、配布を終了する。
同市障がい福祉課は「缶バッジやカードを利用し、本人と周囲の人々の相互理解や、思いやりのある行動につながることを目的としている。理解を広げることで差別を生まず、共に安心して生活できる市を目指したい」と話している。
<問い合わせ>草加市障がい福祉課☎922・1436。