「八潮市だけでなく、近隣の草加市や越谷市など県内で魚拓展を開催したい」と夢を語る。
昨年11月の「八潮市民文化祭」で新作、アロワナのカラー魚拓を披露した。アロワナは東南アジアなどの淡水に生息する大型の古代魚。娘婿が17年飼育していた個体が老衰で死に、魚拓に。冷凍で届き、解凍に1日半。発砲スチロールで台座を作るのに半日。そこから1作品(完成サイズ約50×80㌢)1日がかりで、赤系と青系の2作品を仕上げた。「以前にも水槽から飛び出したアロワナを娘婿にもらい作品にしたが、出来が良くなかった」と振り返る。
題材となる魚は、譲り受けたり自分で釣ったものがほとんど。「一昨年、知り合いの船に放ってあったオオカミウオを作品にした。最近、大型の作品が増えた」と笑う。小さな魚を数匹、数種類配置し、大きめの作品に仕上げることもある。
北海道函館市出身。大学卒業後、同市内の福祉施設職員として働いていたが、1986年、栃木県那須塩原市に転勤。「海もない栃木県では釣りも出来ず、鮮魚も食べられない」と肩を落としていた矢先、NHKの趣味講座で「写真のような魚拓」に魅せられたのが、カラー魚拓との出会い。その後、転勤先の静岡県伊東市で「カラー魚拓」のカルチャースクールを受講。約2年間基礎を学んで以降、独学で腕を磨き、91年には個展を開催した。
2005年、仕事を退職し、孫のいた八潮市へ。また、同年、川政依竿名義で、カラー魚拓の本「魚拓です」を、20年には「魚拓です2」を出版した。16年には「八潮市でカラー魚拓を広めたい」と、やしお生涯楽習館で「カラー魚拓教室」をスタートさせた。現在は、八潮市立大原小の業務主事として働く一方、教室を続けカラー魚拓の普及に努めている。
現在は、途中でやめることになると申し訳ないと、学校での展示こそ控えているものの、「魚は切り身で泳いでいると思い込んでいる子どもたちに、本当の魚の姿を見せてあげたい」と話している。