上映開始した映画「春夏秋冬」の監督・主演を務める
「いつも夢を忘れず、前向きに。ストレス社会に必要なのは音楽や映画だから」とほほ笑む。
自ら監督、主演、主題歌作詞・ボーカルなどを務めた映画「春夏秋冬」の完成披露上映会を先月、草加商工会議所会館で開いた。
真渕さん演じる草加のアラフィフOL、豊川麗はある日、ストリートライブ中のアラフィフ・ミュージシャン、山下彰と知り合う。昔、バンドのボーカルをしていた麗とメジャーシンガーの夢を追い続ける彰は次第に引かれ、恋に落ちる。だが、2人の運命は……というラブストーリー。
所属事務所のメンバーで結成したバンド「RayBand」のオリジナル曲「春夏秋冬」の歌詞がモチーフになっている。
監督を務めたのは偶然からだった。もともとは、この曲を気に入った〝本職〟の監督が映画化を企画した。だが、撮影開始1週間前、病気で降板。主演のほかに、急きょ監督、製作まで引き受けた。
撮影は3月21日、草加を中心にスタート。同商議所の後援もあり、多くの団体や企業が協力してくれ、7月26日、無事クランクアップした。「そんな草加市の良さを一人でも多くの人に伝えたい」と言う。
春日部市出身。母親がピアノ教室をしていたため、音楽に囲まれて育ち、中学校の音楽教師に。だが、教える側から表現者になりたいと退職、芸能事務所の門を叩いた。
芸能界入り後はドラマやバラエティー、映画、モデルなどの仕事をし、その後、CDデビュー。曲作りも始めた。草加駅近くでミュージックバーを経営しながら、ご当地ソング「あやせがわの恋」をリリースしたり、第12代「草加さわやかさん」に選ばれて同市のPR活動をしたり。「草加愛が止まらなかった」と笑う。
子育てが一段落し、最終目標だった「女優・監督作品を撮ってみたい」夢を再び追いかけ始めた時、偶然チャンスが巡ってきた。
「いくつになっても新しいことに挑戦し、かなえることができる。誰かの勇気や挑戦する気持ちの後押しになれば」。
(佐藤 龍一)