「草加市に大会を誘致し、フィンスイミングのまちにしたい」と夢を語る。
フィンスイミングは、足ヒレを使用して泳ぐ競技。趣味で始めたフィンスイミングの道具が全て海外製と知り、日本で競技人口が少ない原因の一つと考え、2018年夏にシュノーケルを制作する設計・制作会社「HORi-Lab」を設立した。
その頃、競泳でタイムが伸び悩んでいた知り合いの高校生が、父親のビーフィン(両足にそれぞれ装着するフィン)をつけて泳いだところ、良いタイムを出した。堀本さんの働きかけで、選手はフィンスイミングに転向。今年6月の「ジュニア世界選手権」に堀本さんの作ったシュノーケルで挑み、個人種目2種で自己ベストを更新。4×100㍍ビーフィン混合リレーでは総合タイムで日本記録を樹立した。「自分が作った道具で良い成績を残してくれたことは誇り。ゆくゆくはシュノーケルだけでなく道具一式を担いたい」と全面的バックアップを誓う。
反面、その活躍を目前にし、「自身の製作したシュノーケルでマスターズ世界記録の再樹立をしたい」とも話す。
栃木県佐野市出身。小学生の頃、友だちに誘われ水泳を始めた。大学ではマスターズ大会で3回優勝。就職後に出場した宇都宮の大会では、世界選手権出場選手や元日本代表に続き3位に入賞した。その後、水泳部があるメーカーに転職。ある日、チームの代表が大型のモノフィン(両足で装着する1枚の大きな足ひれ)を持参。「勢いで」大会にも出場したが、結果は散々。しかし、フィンスイミングにはまり、2015年には念願のマスターズ日本代表選手に選出された。
18年頃から国産の道具がないことに対する思いが強まり、八潮市の会社で技術を学ぶため草加市に越し、「HORi-Lab」を立ち上げた。昨年11月、商工会に勧められて「草加モノづくりブランド」に応募し、今年2月に認定された。
「人生の半分以上を水泳とともに歩んできたので、今後は技術で貢献し、恩返ししたい」と話している。 (佐藤 龍一)