小学生が自ら考え行動
小学生がお店を開いて商売をしたり、さまざまな職業を体験したりできる「こども夢の商店街」がこのほど、2日間にわたって、三郷市新三郷ららシティの「ららぽーと新三郷」で行われ、三郷、八潮、草加、吉川市のほか、千葉県流山、松戸市から約520人の小学生が大人顔負けの職業に挑戦した。
同商店街は、「お店屋さん」と、銀行や警察官など商店街運営に携わる「オシゴト」に挑戦することで、「働くことの面白さと難しさを学ぶことができるキャリア教育イベント」。「こども夢の商店街実行委員会」が主催、名古屋にオフィスを置く一般社団法人「ユメ・フルサト」が事務局を務め、全国各地で開催してきた。スタッフのほとんどは学生ボランティアだ。
「お店屋さん」は、飲食物以外で公序良俗に反しないなら何を売っても、どんなサービスを提供してもよく、子どもが自分で考えて決める。店は間口1メートル、奥行き1・3メートルで、店長と店員の計2人まで経営できる。「おむすび通貨」(1000円=20むすび)で売り買いする。稼いだおむすび通貨はお米と交換できるほか、ケーキ屋、パン屋、レストランなど地元の提携店で使うこともできる。
一方、「オシゴト」は、給料を払ったり両替したりする銀行員、親が店の経営に手出ししないか取り締まる警察官、場内放送のアナウンサーなど。働いて給料をもらい、同商店街で買い物することができる。
ららぽーとの通路には約120の「お店屋さん」がずらりと並び、店主たちが大声で「かわいいアクセサリー、見てください!」「面白いゲームだよ!」などと客に声をかけた。手作りアクセサリー、輪投げ、ガラポン、宝くじ、中には手作り手裏剣や忍者グッズなどユニークな店も。
小学校5年生の女子児童(10)は、前回は「オシゴト」でアナウンサーに挑戦したが、今回は手作りキーホルダーの店をオープン。「作るのは大変だったけど、売れるとうれしい」と楽しそうだった。
アイデア次第で繁盛するお店もあれば、まったくお客さんの来ないお店もあるが、あえてコツを指導しないのが同商店街の方針。子どもにすべて任せ、ダメならどう立て直すかも本人次にすることで、自ら学び、考え、行動できる「生きる力」を身につけられるようにしているという。