草加市瀬崎地区の自主防犯活動組織「せざき防犯パトロール隊」(浅古八郎隊長)の結成20周年総会と祝賀会が4月15日、瀬崎コミュニティセンターで開かれ、約80人が出席した。
高橋理絵副市長は総会で、「20年にわたり地域の防犯活動に大きく関与した。今後も継続していただくと同時に、他の防犯団体の目標にもなる」と述べ、感謝状を手渡した。
同隊が結成されたのは、2001年7月。瀬崎地区にある浅間神社の祭礼で16歳の少女が誘拐され、翌日、茨城県内で遺体となって発見された事件がきっかけ。03年、住民らが「自分たちの手でまちを守るためにはどうしたらよいか」を検討していた頃、地域でひったくり事件が急増。同年、住民有志158人で市内初の「せざき防犯パトロール隊」を発足させ、瀬崎第一~第三町会と谷塚コリーナ自治会エリアで夜間パトロールを実施した。
06年、下校中の女児がいたずらや声がけされる事件が多発したため、登下校時の見守り活動を開始。同年9月には防犯パトロールのための青色回転灯装備車(青パト)を取り入れ、地域の巡回を始めた。発足当時、地域では54件ものひったくりが発生していたが、現在はほとんどないという。
街が汚いと犯罪の温床になりやすいため、パトロール中に発見した放置自転車などの状況を市や草加警察署などに届け出ているほか、町内掲示板などに地域の犯罪状況や不審者目撃情報の掲示も行っている。特殊詐欺被害防止キャンペーンの実施などにも積極的に取り組んでいる。パトロール隊の幟も定期的に交換し、活動を周知している。こうした活動が実を結び、16年には「安全安心なまちづくり関係功労者内閣総理大臣表彰」を受賞した。
浅古隊長(78)は「隊員の『自分たちのまちは自分たちで守る』という防犯意識が高く、昼夜問わず活動の幅を広げてくれたおかげ。犯罪をさせないまちづくりが大切」と指摘。「隊員の協力とその家族の理解があってこそ、ここまで継続できた。本当に感謝しかない」と謝辞を表した。