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春日部市/春日部南中で校歌作者が歌唱指導

生徒に校歌の歌唱指導を行う作詞・作曲者の山下伶さん(右)
生徒に校歌の歌唱指導を行う作詞・作曲者の山下伶さん(右)

 春日部市立春日部南中学校(鶴見和弘校長)の体育館でこのほど、同校校歌の作詞・作曲者で、クロマチックハーモニカ演奏者の山下伶さんが、3年生を対象に校歌指導を行った。10月の合唱祭に特別審査員としても招かれており、それに先立ち、校歌をどのような思いで作ったかを織り交ぜながら指導した。
 「前奏は一番好きな場所、2番は周りの友だち、3番は自分の未来を思い浮かべながら歌いましょう」。
 山下さんは、校歌を制作した約5年前を振り返りながら優しく語りかけた。育った春日部にはたくさんの思い出があった。9月に黄金色になる稲穂や屋上から見る富士山、すべての思いを校歌に入れた。「一番好きな場所はどこ?」と問いかけると、生徒は「教室」「富士山が見える1年4組の教室」などと元気に答えた。「みんな恥ずかしい年頃なのに、素直に答えてくれた。学校生活をちゃんと送れていると感心した」と話す。
 校歌制作は、詞に入れてほしいフレーズが公募で集まり、それを組み込みながらの作業になった。「厚いアンケートを頂いた時、市民の皆さんの熱い思いが伝わってきた」と言う。体育祭でも歌うからバラードではダメなど、曲の作り替えも。苦労したからこそ、思い入れは強い。
 生徒たちと楽しい時間を過ごした山下さんは、「自分がもっと有名になって、この人が作ったと思われるように頑張らないと」と身を引き締めた。さらに「将来の夢はまだ見つからないかもしれないけど、ゆっくり見つけて。中学時代は年を取るほど輝く。大事にしてください」と締めくくった。
 山下さんは中学、高校時代、吹奏楽部でフルートを担当。短大卒業後の2014年、「第34回F.I.H JAPANハーモニカコンテスト」で総合グランプリを受賞し、クロマチックハーモニカ奏者として仕事を始めた。来年は海外にも目を向けている。