「絵本は心のごはん」と絵本専門士の加崎湖都美さん(56)(茨城県守谷市在住)。
お腹を満たすごはんと、心を豊かにするごはんである絵本を、子どもたちに届けようと、2020年4月から、三郷市鷹野の清浄寺三郷分院で「〇△□子ども食堂」を開く。
毎月1回、第4水曜に絵本の読み聞かせなどを行っている。不思議な食堂名には、子どもたちの多様性を大切にしたいとの気持ちを込めた。
神奈川県横浜市出身。28年前、結婚を機に県守谷市に移り、仕事を辞めて専業主婦となった。その後、絵本好きが高じて、学童保育の支援や児童書店の販売員として働く中で、親子の歯車が食い違っていく様子、自分を正当化、果ては暴力に走る子どもたちを見てきた。
しかし、「そんな子どもたちも、膝に乗せて絵本を読んであげると、心がスーッと落ち着いていくのが見えた」という。「まさに絵本の力」と確信した。2020年、絵本専門士資格を取得した。
「まだまだ絵本の力が届いていない場所がある」と考え、埼玉県子ども食堂ネットワークの紹介で仲間4人と「〇△□子ども食堂」を始めた。
加崎さんのモットーは「絵本に書かれていることを体験させること」と、「読んで感じて体験すること」。その体験を通して、「情緒や感じる力を蓄えることができ、創造・想像する力につながる」という。「絵本を子育ての味方にしてほしいと」と親たちに呼びかけている。