三郷市

三郷/「遊びから生きる力に」 絵本作家と交流 前谷小

 三郷市立前谷小学校( 魚躬隆夫校長)で1月24日、絵本作家兼イラストレーターのはたこうしろう(本名・秦好史朗)さん(60)を招き、全校児童306人を対象に講演会「前谷小ブックライブ❢ はたこうしろうと絵本の世界」を行った。

読み聞かせなどの講演を行ったはたさん

 1~3年生の低学年、4~6年生の高学年の2部構成で実施。高学年の部ではたさんは、自身の作品である「まっくらあそびしようよ❢」「こんにちは❢わたしのえ」や、イラストを担当した「あなたがおとなになったとき」などを読み聞かせ、遊びと自由、夢と仕事などについて語った。

元・サッカー選手、中田さんの言葉を引用し遊びについて話すはたさん

 元・サッカー選手、中田英寿さんの言葉「サッカーも旅も、真剣に遊ぶとそれが仕事になる」「遊びも一生懸命やるから楽しい。中途半端に遊んだらつまんない」を引用し、「遊びは勉強だけでは得られない、創造性や生きる力を養うもの」と指摘。「夢と仕事は重なる場合もあるが別物。夢を持たなくなった人は絶望してしまう。常にたくさん遊んで夢を増やし、人生の糧にしてもらいたい」と述べた。さらに、「自分の目で見て心で感じたことを表現することで人生は楽しくなる。自身の目で多くのことを見てほしい」と呼びかけた。

 図書委員長で6年生の上杉やよいさん(11)は「絵を描くことや本を読むことが好きで、仕事はパティシエをやりたい。今まで仕事と夢を一緒に考えてきたが、講演を聞いて違うものだと感じた。今後、いろいろ考えていきたい」と笑顔だった。

 魚躬校長は「遊びの中からいろいろ見つけることが、夢につながり生きる力になるとメッセージをいただいた。子どもたちが今後、前向きに生きていくことに少なからず影響を与えたと思う」と話していた。
 講演会は、同校が2006年度に読書活動優良校として文部科学大臣表彰を受賞した「前谷小読書ウィーク」の取り組みで、三郷市が「日本一の読書のまち三郷」を宣言するきっかけとなった。