三郷市の「ふれあいブックサポーター養成講座」のスタートを前に10日、親子向けワークショップと講演会が「におどりプラザ」(同市中央)で開かれた。
同市は、「ふれあい文庫」(現在7か所)の設置のほか、「ふれあい文庫ぷらす」と名付けて、自治会会館や事業所、飲食店などにも文庫を広げている。ブックサポーターはこれらの運営に携わり、交流を推進する役割を担う。
同日午前のワークショップでは、絵本作家のすぎはらけいたろうさんがリモートで登場。親子で絵本の一場面を絵の具で描いた。
午後の講演会では、大阪府立大学観光産業戦略研究所の客員研究員・所長補佐、礒井純充(いそい・よしみつ)さんが、「一緒に育てませんか 読書のまち~地域で楽しむ 小さな図書館の魅力」をテーマに講演した。
礒井さんは、本を通じた交流の場、自分らしく過ごせる時間と場所として「まちライブラリー」を提唱。一般社団法人「まちライブラリー」を立ち上げ、その輪を広げる活動を続けている。「まちライブラリー」には現在、全国の約860か所が登録し、店舗や自宅、商店街、寺、病院、農場などに広がっているという。
「誰でもどこでも、お金もかからず始められるのが、まちライブラリー。ルールは自由。読んだ本を並べたり、持ち寄ったり。お薦め本に付けたメッセージから、人とのつながりが生まれる」と礒井さん。
商店街の活性化につながった例や、蔵書ゼロからライブラリーをつくった大学の例を紹介し、「まちの本屋さんが減少している中、まちライブラリーがあちこちにあることで、まちが面白くなる」と力を込めた礒井さんは、「趣味の本や遺族が残した本など、並べる本は何でもいい。楽しく楽な気分でやることが長続きのコツ」とアドバイスした。