いつでも行ける友達の家 越谷の公民館で活動「 気軽に来て」
不登校の子どもたちの支援活動「自宅待機ぐみ」がこのほど、越谷市の北越谷地区センター・公民館で始まった。活動を立ち上げたのは、文教大学人間科学部1年の三井田和人さん(19)。自らの不登校をきっかけに地元・新潟で始め、さまざまな人の協力を得て活動が軌道に乗った。大学入学で移った埼玉でもこうした場所は必要と、友人や有志と協力して活動を始め、子どもの居場所作りを目指している。三井田さんは「気軽に来てほしい」と呼びかけている。
三井田さんは中高生の頃、不登校を経験してうつ病や注意欠如・多動症(ADHD)と診断され、孤立感を覚えるようになった。フリースクールは集まる子に年齢層の違いがある上、入会金が高額な場合もあった。それなら自分で理想とする交流の場を作ろうと、高校在学中の2022年、「いつでも行ける友達の家」をコンセプトに「自宅待機ぐみ」を設立した。新潟大学の学生やカウンセラーなどの協力を得て今でも継続しており、毎回10人ほどの保護者、小学生、中学生、高校生が参加している。今年4月、大学進学を理由に新潟の運営を後継者に任せ、埼玉での活動を目指した。それが埼玉版「自宅機ぐみ」だ。
三井田さんの声かけで、同じ学部の福島尊翔さん(19)、林陽菜さん(19)、増田楓夏さん(20)と、別の大学の友人、平田知輝さん(20)が加わり、5人でスタートした。
ここでは、悩み相談や学校の話はしない。カードゲームやボードゲームを使って人との交流を深める。「新潟では2年前、ほとんどしゃべれなかった子が周りに気を遣いながらゲームを進行したり、学校に復帰している子もいる」と三井田さんはうれしそうに話す。
使用するのは人気会話ゲーム「ito」やカタカナ語のお題をカタカナ語を使わずに説明して当ててもらう「カタカナーシ」など。ゲームを通じて人と交流することで、少しずつ社会復帰を目指す。
運営メンバーは、自ら引きこもりだったことがあったり、友人が不登校になったり、どこかに傷を負っている人だ。「不登校の子たちとコミュニケーションを取ることは自分にとって新しいこと」と増田さんは話し、「先生やスクールカウンセラーとも合わない場合がある。そういう子たちの力になれたら」と林さんは意欲を見せる。三井田さんは「こうした場所は埼玉にも必要」とし、「気軽にゲームをしたり遊んだりしませんか。見ているだけでも大丈夫」と呼びかけている。
対象は小学3年生〜高校3年生。第3日曜日午後2~4時、同センター・公民館で行っている。参加費は保護者含め1人500円。
<問い合わせ>
三井田さん☎080・5987・9049、メールhayabusanetworks@gmail.com