倪瑞良さん世界展 西陣織とコラボ
切り絵作家、倪瑞良(にい・みずよし)さんによる「切り絵・ミュシャの世界」展が6月19~23日、越谷市中央市民会館2階ギャラリーで開かれた。画業50年を迎えた倪さんの「神による究極の美の表現」作品13点を展示。倪さんの作品をモチーフに西陣織に仕立てた「西陣美術織」のとみや織物八代目伊兵衛さんによる「倪瑞良ミュシャの世界を織る」展も同時開催され、繊細な作品の数々に訪れる人は息を飲んでいた。
倪さんは1949年神戸生まれ。父親の跡を継ぎ服飾デザイナーとなったが、その頃から切り絵の世界にのめり込んでいった。作品はすべてナイフ1本で切り抜いたもの。19世紀末~20世紀初めに欧州で広まった芸術運動「アール・ヌーボー」を代表する画家アルフォンス・ミュシャに影響を受け、モノトーンを基調に、極細な曲線で優美な女性などを描くことから「切り絵のミュシャ」と呼ばれる。
越谷市花田の塾経営、曽我みきさんは「すごい」を連発。幼児や小学生を教える立場なので「自分に刺激が必要。子どもにパワーを与えたい」と訪れ、「切り絵を西陣織にしているのがすごい。パワーを感じる」とうっとりしていた。
「作品は売らない」という倪さんの作品を見た西陣織国際美術館の蔦屋文二郎館長が約150点を預かり、西陣織とコラボして本展を開催した。「切り絵作家の技術、西陣織の技術、レーザーによる最新技術の切り絵も見てもらえたら」と全国巡回展実行委員会東日本推進本部長の菅柾晴さんは話していた