「津軽三味線の魅力はアドリブと即興。会場最後列まで思いが届くよう一音一音、全身全霊を傾けて弾く」
コロナ禍で休止していたコンサートを11月13日、越谷サンシティで開く。ドラム、ピアノや尺八演奏家のほか、民謡歌手も登場する和洋コラボレーション。
東京生まれ。4歳から越谷市で育つ。祖父母、両親ともに民謡ファンで、「幼い頃、音楽は民謡だけと思っていた」。
10歳から、姉の福居典美(ルビ・てんび)さん(47)(現在、プロ奏者)が師事した津軽三味線「福居流」の家元・福居典大(ルビ・のりひろ)さんの元に通う。「当時はドラムに夢中。津軽三味線に興味なかったが、祖母に弾いて見せると大喜び。その笑顔が見たくて弾いていた」。
17歳の時、家元から「津軽三味線で生きていかないか」と誘われ、「家族も喜んだため」福居流師範「福居一大」を襲名した。
毎日12時間以上の練習。「抜群のテクニックを持つ姉が励みとなった」。
22歳で財団法人日本民謡協会主催の「津軽三味線全国大会」で3代目チャンピオンとなる。
「極太棹(ルビ・ごくぶとざお)」と呼ばれる太めの棹が“一大モデル”。地元越谷の職人による特注品だ。
今、力を入れているのは、「全国47都道府県の民謡の50分間ノンストップ演奏」。北海盆唄から鹿児島おはら節まで――体力勝負だが、「観客の盛り上がりがすごい」。
「コロナが収束したら、津軽三味線を世界各地の人に聴かせたい」。身長191㌢の全身を使った超絶技巧は、世界の音楽ファンをうならせるだろう。
GJ(安部 匡一)