越谷市

越谷/市役所で 「さすまた」使い方学ぶ

不審者を御用!

不審者の侵入にさすま
たを持って立ち向かう職員
不審者の侵入にさすま たを持って立ち向かう職員

 越谷市は2月28日、午前、午後の2回に分けて、同市役所エントランス棟で、さすまたを使った防犯訓練を行った。総務部庁舎管理課が主催し、対象は市役所の中央管理室、総合受付のほか、同市の学童保育室、保育所、地区センターなど計76課所室。さすまた製造メーカー、佐野機工の広域営業マネージャー、平川正樹さんを講師に迎え、実演を交えながら技術習得を図った。
 使用したのは「不動」という商品。2001年に起きた大阪教育大学付属池田小学校での無差別殺傷事件をきっかけに、学校への出入りが自由にできなくなり、防犯用具についても、さすまただけでは簡単にいなされるとして、改良が加えられた。「今あるさすまたの有効活用」と「力がない人でも使えるもの」をコンセプトに、20年ほど前、栃木県警と考案したのが「不動」だった。
 不審者の足元を狙って押し当てると、ばね性のヘッドが巻き付いて相手の自由を奪う。約2㌔と軽量で、女性でも使いやすい設計となっている。柄が長めで、安全な距離を保てるのが特長だ。
 ただ、平川さんは、あくまで「警察が来るまで持ちこたえるための道具」だとして、「安全が第一。ダメだと思ったら逃げて」と念を押していた。
 その後、実際に不審者が侵入したという想定で実演が行われた。参加した東越谷と西方の学童保育室員は「うまく当たってベルトが巻き付けばいい。失敗したらどうなるんだろう」と、侵入者役の怒号にたじろいだ様子。「怖くてもやらなきゃいけない。ただ、子どもたちが騒いだら、子どもたちの対応ができるか」と川柳地区の40代の女性学童保育員は不安げな表情だった。蒲生南の50代の女性学童保育員は「訓練でも膝が震える。何度か訓練しないと」と話していた。
 訓練終了後、学童保育室に1~2個、地区センターに1個、保育所に1個、同市庁舎にも受付などに「不動」が配られた。