越谷市

越谷/山本理顕さんがプリツカー賞受賞

 埼玉県立大学(越谷市三野宮。田中滋理事長、星文彦学長)のキャンパスを建築設計した山本理顕氏(78)が5日、建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」に選ばれた。日本人の受賞は丹下健三、安藤忠雄、磯崎新各氏らに続いて9人目となる。

山本さんが建築設計し、「グッドデザイン賞」を受賞した埼玉県立大キャンパス

 県立大キャンパスは1998年完成。開学した99年には「グッドデザイン賞」(施設部門)を受賞した。ガラス張りの外観、芝生などで緑化された屋上、吹き抜けの通路など美しい施設で知られ、映画やテレビドラマ、CMなどの撮影地にたびたび選ばれている。

 山本氏は日本大学理工学部建築学科から東京藝術大学大学院、東京大学生産技術研究所で学んだ後、設計事務所を設立。個人宅から団地、学校、消防署、美術館など幅広い分野で活躍している、日本を代表する建築家。ガラスと力強い構造体で、閉鎖的な空間ではなく、「大きな共同体」との関係性を重視する建築を発表し続けている。

 同賞選考委員会は県立大について、テラスでつながった建物の通路を歩くと「教室から別の教室、建物から隣の建物を望むことができ、学際的な学びを促している」と評した。

 田中理事長は6日、山本氏に対するお祝いのコメントを発表し、「この美しいキャンパスとともに、次のステージに向けて、大学のさらなる発展に取り組んでまいります」と述べた。