1100年以上の歴史を持つ越谷市野島の浄山寺(じょうさんじ)(石井知章住職)で8月24日、国指定重要文化財の本尊「木造地蔵菩薩立像(じぞうぼさつりゅうぞう)」のご開帳が行われ、早朝から多くの参拝者でにぎわった。
同立像は2011年3月11日の東日本大震災で倒れて両足が損壊したため修理。その際に鑑定したところ、平安時代初期のものと判明した。県内最古であることはもちろん、関東地方でも最古級。石井住職(79)によると、平安初期の地蔵としては奈良・法隆寺の国宝「地蔵菩薩立像」とともに2つしかないという。14年に県の文化財に、16年8月に国の重要文化財に指定された。2月と8月の24日に開帳されている。
同立像は、いたずら防止のため防弾ガラスがはめ込まれ、湿気でカビないよう空気穴のあけられた厨子(ずし)に収められている。参拝客はその前に座り、熱心に拝んでいた。同市内から友人と3人で訪れた主婦(79)は、「お寺には子どもの頃、一度連れられてきただけだったが、ご本尊修復の後、夢に見て、それ以来、ご開帳に必ず来ている」と言う。
この日は、NPO法人越谷市郷土研究会による同立像に関する講話会も境内にある耕雲閣で開かれ、多くの市民が立像の由来などについて耳を傾けていた。
石井住職は「ご本尊を見に遠くから来られる方も増えていて、ありがたい限り」と話していた。
越谷・浄山寺の国重文 地蔵菩薩立像ご開帳