越谷市消防局(中井淳消防長)はこのほど、同市内での火災で119番通報や初期消火活動を行った夫婦に感謝状を贈呈した。
この夫婦は、同市大間野町2丁目の会社員、坪井徳男さん(50)とパート従業員、雅美さん(47)。
2人は6月7日早朝、家の近くで犬の散歩の帰り道、工場の敷地内から白い煙が上がっているのを発見。のぞき込むと建物と塀の間から高さ50センチの火の手が上がっていた。
2人は直ちに119番通報した後、近くの市立大間野小学校職員室に駆け込み、消火器1本を借りて塀越しに消火活動を行った。同小教諭がもう1本を持ってきてくれたため、さらに消火活動を続けるうちに、消防車が到着。通報から約1時間後、電線管0・8メートルやゴムマット2枚などを焼いて鎮火した。建物への延焼は免れた。
越谷市大沢2丁目の消防本庁舎で行われた贈呈式には、中井消防長のほか、川島知幸消防局次長、川津忠雄消防署長らが出席。感謝状は、2人が「迅速かつ適切な行動を取り、被害を最小限に抑えた」と称えた。
中井消防長は「2人が通りかからなかったら建物に延焼していた恐れがあった」と述べ、火災で最も大切な初期消火を実行した2人の行動を賞賛した。
2人とも勤務先で消火訓練を実施しており、消火器の使い方もよく知っていたという。
雅美さんは「消防団員の兄から火災の怖さはよく聞いていたので、早く消さなきゃという思いだった」と話す。徳男さんは「今後もこういう機会があったら、できるだけのことをしたい」と決意を新たにしていた。
初期消火貢献で夫婦に感謝状 越谷市消防局