「想像と違う」 早期離職防止が課題
越谷公共職業安定所(赤羽章所長)と越谷地区雇用対策協議会(吉野寛治会長)は5月26日、来春の就職を目指す高校3年生の就職活動に向けた地元企業の人事担当者と高校の進路指導担当者による情報交換会を、越谷市中央市民会館で開催した。会社訪問などの求職活動が7月から始まるのを前に、企業の採用予定などについて意見を交換し、進路指導や企業の採用計画に役立てるのが目的。
会合には、越谷市をはじめ県南東地域の企業30社と県立・私立高校20校の関係者が出席した。
就職成否のポイントの一つは、採用の業種・職種や企業の雰囲気などと生徒とのマッチング。せっかく就職しても、「想像と違った」として短時間で辞めてしまうケースが毎年発生しており、これをどう減らすかが課題だからだ。
県立松伏高校の橋本一進路指導部主事は「大学生に比べ企業見学の機会も少なく、自分で会社について調べるなどしっかり準備できるかが大事」という。また、先輩が入社した企業に就職すると、あまり辞めない傾向にあるという。一方で、「企業の側も、学校と違って年齢もさまざまで、タテ社会である企業にいきなり入って戸惑う新卒者を十分ケアしてほしい」という。
一方、企業側の悩みは予定した人数をなかなか採用できないことだ。
ガソリンスタンドチェーン展開や石油製品の卸売・小売業などを主力とするイハシエネルギー(越谷市)の林朱理さんは「説明会、見学会を通して会社の雰囲気や先輩の姿を見てもらい、イメージと実際のギャップを埋めていく」と話す。
また、運送業を主とする関根エンタープライズ(同市)の西本亜矢子さんは、働き方改革関連法施行による来年度からのドライバーの労働時間規制で、休みをこれまでより取りやすくなる点や新卒者給与の大幅アップをアピールしていきたいという。
高校生に対する求人は7月から公開され、夏休みを中心に会社見学などが行われ、9月16日に就職試験が解禁となる。