先月、東京・世田谷区の昭和女子大で開かれた「第6回全国中学ビブリオバトル」(活字文化推進会議主催、昭和女子大学共催、読売新聞主管)で、当時草加市立谷塚中3年だった高橋凛さん(15)が見事、優秀賞に選ばれた。今月、県立越ヶ谷高校に進学した髙橋さんは、「夏には同校でもビブリオバトルがあるので、挑戦したい」と意気込みを見せている。
ビブリオバトルとは、京都大学で始まり、全国に広がった読書会。参加者が面白いと思った本を持ち寄り、内容を紹介する。参加者全員で各書物について討論を行い、最後にどの本を一番読みたくなったかを投票して順位を決める。本を選ぶ目はもちろん、プレゼンテーションの力量も問われる。大学、高校、中学などで全国大会が行われている。
高橋さんは、お気に入りのミステリー作家、はやみねかおる氏によるSNSを舞台にしたヤングアダルト向けミステリー「奇譚ルーム」(朝日新聞出版)を紹介した。
以前から短編小説やライトノベル、児童書などを読んできたが、中でもミステリーが好きで、この本に出会ったという。図書委員長だったことや学校図書館の司書の先生の勧めもあって、ビブリオバトルに出場した。「本番では緊張しすぎて、途中の記憶がない」という。
高橋さんは「昔から読み聞かせをしてもらったり、市立図書館に連れて行ってもらえたことが、ビブリオバトルの結果や進路に影響している」と、両親への感謝を強調する。
読書量は一定ではないが、読む時は1日1時間程度集中する。高校では、厚みのある純文学作品も読んでいきたいという。
現在の目標は小学校教諭。同高では2002年から65分授業を実施しており、「集中力が持続するので、65分授業を行う越ヶ谷高校と相性が良いと思った。読書で培った集中力を生かして行きたい」。
部活動では新しいことに挑戦したいと、弓道部やアーチェリー部の名前を挙げる。「やっぱり集中力を必要とするものを選んでしまうかも」と笑顔を見せた。