三郷市立瑞木小学校で2日、「雅楽」の鑑賞会が6年生約60人を対象に行われた。雅楽は1200年以上の歴史を持つ日本独特の古典音楽で、20年以上前から小学校の音楽の授業でも取り上げられている。だが、時間が限られ、なかなかなじみがないことから、子どもたちに実際に聞いてもらおうと実施された。
同校に教育実習生として赴任していた岡庭冴美さん(38)(現在は小学校教員)の夫、健(たける)さん(44)が、雅楽の代表的な楽器、篳篥(ひちりき)の奏者である縁から、鑑賞会が実現した。健さんの知り合いの笙(しょう)奏者、佐藤祐介さん(39)、龍笛(りゅうてき)奏者の〆野護元(もりゆき)さん(29)の2人も参加した。
鑑賞会は2部に分けて行われ、1部では楽器について解説し、「越殿楽」、「陪臚」などを演奏。2部ではコンビニの入店時に鳴る音楽や「もののけ姫」などを雅楽版で演奏した後、子どもたちに琵琶や筝、太鼓や鉦鼓、鞨鼓などの楽器を触らせて体験させた。最後に下宮弘聖さん(37)が3人の音楽に合わせ、舞楽「陵王」の舞を披露した。
太鼓を体験した音楽好きの早川武蔵君(12)は「音楽室で聞いたのと生の音色では迫力が違った。指の動きや音の強弱などもわかって、機会があればまた体験したい」と笑顔だった。
岡庭さんは「雅楽は意外と知られていない。こうした機会が伝統芸能に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話していた。
「雅楽」は飛鳥時代の5世紀頃から、シルクロードや中国大陸を通って伝わったアジア各地の音楽や舞が、日本古来の音楽や歌、舞と混じり、平安時代に形が確立されたもの。現在でも神事の厳粛な雰囲気を盛り上げる役割を果たしている。