三郷市立彦成小学校(佐藤孝祐校長)は昨年12月から、3年生以上を対象に「放課後彦成クラブ」を開講している。
同校ではこれまで、教職員が子どもたちに鉄棒を中心に陸上などの運動を指導していたが、教職員の働き方改革など「業務改善」の視点から、昨年の2学期以降活動が中止となっていた。しかし、佐藤校長が「子どもたちが運動する機会をなくしてしまうのは忍びない」と、学校開放を利用する団体や保護者などに働きかけた結果、地域の人々がボランティアとして指導に当たることになった。
現在、バドミントンや野球、ハンドボールなどの運動から囲碁や将棋、宿題、パソコンなどの学習的なものまで幅広い講座が日替わりで実施され、児童延べ73人が活動している。
1月31日には竹下雅哉さん(47)、循子さん(50)夫妻によるバドミントン講座が行われ、約20人が参加した。竹下さんは「学校開放時に体育館を利用し、夫婦でバドミントンを楽しんでいる。放課後クラブの話を聞き、バドミントンを通じて恩返しができるチャンスと思った」と、ボランティアを買って出た。
この日は初心者やある程度の経験者などに分け、夫婦で指導。風船を使った指導などが児童の間で評判となり、バドミントンに興味を持つ子も増えてきたという。
学校のクラブ活動でもバドミントンをしている6年生の篠田陽詩さん(12)と尾臺優月さん(同)は「コロナでクラブ活動も減っていたが、学年を越えた交流もできるので楽しい。知らない技なども教えてもらい、ますます好きになった」と口をそろえる。未経験だった堀切清良さん(同)は「最初は不安だったが、スマッシュなどプロっぽいことができて楽しくなった」と喜んでいた。
竹下さんは「自分たちが子どもの頃に味わったバドミントンの楽しさを今の子どもたちにも伝え、バドミントンを知るきっかけになってもらえれば」と笑顔を見せた。
佐藤校長は「多くの人に協力してもらえてありがたい。下校時の安全を守るため『親が迎えに来る』という条件はあるが、今後、講座を増やしたり時間を調整したり、さまざまことを検討していきたい。こうした活動が他地域のモデルケースになれば」と話していた。