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押しフルーツでリース 越谷・障害者らの力作展示

障害者らが描いた絵画や版画、彫刻などの
美術作品が展示された「こころのアート展」
障害者らが描いた絵画や版画、彫刻などの 美術作品が展示された「こころのアート展」


 越谷市の市障害者福祉センター「こばと館」と同市障害者就労訓練施設「しらこばと」が11月30日から12月2日まで、市内の商業施設イオンレイクタウンmori1階「花の広場」で、「こころのアート展~表現することは生きること~」を開催し、買い物客ら多くの人が鑑賞した。
 今年で12回目の芸術展。市内在住の障害者、福祉サービス事業所利用者、特別支援学校や特別支援学級の児童生徒による絵画、彫刻、版画、陶芸、書道、刺しゅうなどの作品計277点が展示された。重度の障害者らが描いた「ちぎり絵」やパッチワークなど力作も並んだ。
 特に来場者の目を引いたのは、口に絵筆をくわえて油絵を描く、四肢麻ま痺ひの画家・越谷市大里の梅宮俊明さん(56)の水彩画。江ノ電(江ノ島電鉄)の古い電車を描いた湘南の風景やバラの静物画で、色鮮やかな筆致に来場者は感心していた。
 今回、初めて出品した同市赤山本町の就労継続支援B型事業所「blanc(ブロン)」は、ユニークな「押しフルーツ」を使ったクリスマスリースを展示した。「押しフルーツ」はスライスしたミカンやリンゴ、キウイなどの果物を「押し花」のように押して乾燥させたもの。リースの周囲に押しフルーツを貼って色鮮やかな作品に。特にミカンのオレンジ色が映えていた。
 同事業所は今年8月に開設したばかり。管理者の大山千明さん(38)は、「現在、企業からの依頼を受け、検品や梱包など複数の仕事をしています。今回は初参加ですが、クリスマスが近いのでリースを作りました。たくさんの施設が参加しているので、励みにもなります」と話していた。
 就労継続支援B型は、体調面などさまざまな事情で企業での一般就労が難しい人を対象とした作業所。雇用契約を結ばず、自分が行った作業量に対して工賃を受け取る。週1日や1日1時間など、通所者の状況や都合に合わせた働き方ができるのも特徴だ。
 主催した「こばと館」は「展示作品は、アイデアいっぱいの力作ばかり。年々、展示点数が増えており、見学者の関心も高まっています」と話していた。