三郷市在住で、プロボクシングIBF女子世界アトム級の元王者、岡庭冴美さん(タイトル獲得時は花形冴美さん)(38)が、世界王座から次なる夢の「小学校教員」を目指して、着実に歩み続けている。
昨年9月から今年2月まで同市立丹後小に支援員として勤務。今年7~8月にかけて行われた県公立学校教員採用選考試験に合格した。岡庭さんは子どもたちを教える日を心待ちにしている。
岡庭さんは父親の影響でボクシングを始め、2008年8月に花形ボクシングジム所属のプロボクサーとして後楽園ホールでデビュー。初戦は判定負けとなったものの、第2戦以降は勝利を重ねた。
14年3月に「OPBF(東洋太平洋ボクシング連盟)女子東洋太平洋ミニフライ級王座決定戦」で初タイトルを獲得。18年9月には「IBF(国際ボクシング連盟)女子世界アトム級王座決定戦」で王座を獲得。翌年9月に「IBF女子世界アトム級王座タイトルマッチ」で世界王座防衛に成功した。一昨年3月に2度目の王座防衛を果たし、有終の美を飾って引退した。
岡庭さんは先月27日、同市立瑞木小学校を訪れ、5、6年生117人に向けて「夢を叶える」をテーマに講演を行った。岡庭さんは児童らに、「夢は口に出していう」「失敗を恐れない」「夢や目標を持つのに遅いことはない」「出会いを大切に」と4つのポイントを伝えた。
講演を聞いた6年生の伊藤健心君(12)は、「地元のサッカーチームに所属しているが、これまで下手だと諦めていた。話を聞き、自信を持ってサッカーに取り組んでいきたい」と笑顔で話した。
岡庭さんは「自身の夢をいろいろな人にかなえてもらった。今後は感謝の気持ちを恩返しという形で、多くの子どもたちの夢や希望がかなえられるように応援していていきたい」と話していた。