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八潮市・「この子の里親になって」

 「人にも猫にも優しいまちづくりを」と訴える八潮市のNPO法人「おちゃねこ彩々」(後藤秀之代表理事)が、里親募集型の保護猫カフェ「猫のあずまや『翠ちゃん家の茶乃間』」を、八潮市中央の市役所隣に開設し、保護猫と里親のマッチングを続けている。

〝看板猫〟の翠ちゃんを抱く後藤代表

 環境省によると、2020年度の埼玉県内の猫の殺処分数は352匹。県内で猫を引き取っているのは、「埼玉県動物指導センター」(熊谷市)、「同南支社」(さいたま市)と、越谷市と川口市、川越市にある「動物管理センター」だが、飼い主が見つからない限り、殺処分される。保護猫や地域猫活動が盛んになってきたとは言え、まだまだ殺処分が多いのが現状だ。
 保護猫や地域猫は通常、「捕獲(TRAP)・不妊手術(NEUTER)・戻す(RETURN)=TNR」の手順を取る。こうした猫は、手術の際に耳先をカットし桜の花びらのように見えることから「さくらねこ」とも呼ばれている。

翠ちゃん、キジシロ、2歳

 しかし、同団体では野生に戻さず、譲渡することを目的とし、「捕獲・不妊手術・譲渡(ADOPT)=TNA」を独自の名称「わかばねこ」と定義。八潮市内のペットクリニックの協力を得て、猫たちの診療や健康管理の相談などを行いながら、保護した猫の里親探しを続けている。
 元々、市民団体「ねこの家」として2009年に発足し、15年にNPO法人化。20年に後藤代表が引き継ぎ、21年に法人名を「おちゃねこ彩々」と変更した。保護猫の相談、保護、譲渡などの活動に力を入れ、一昨年12月に同猫カフェを開設して猫たちと触れ合える空間を提供している。

 カフェは月・火・木が午後1時から6時、水・金が午後3時から6時、土日祝が午後1時から7時まで。不定休で、ホームページやTwitterで確認する。
 利用料金は大人が30分700円、60分1000円。65歳以上と高校生が30分500円、60分750円、小・中学生が30分300円、60分500円、未就学児は無料。飲食物は提供していない。ただし、ペットボトルなど蓋付きの飲み物の持ち込みは可。利用時は靴下を着用する。

 後藤代表は「保護猫の数に比べ、譲渡数が少ないのが課題。費用がかかり、世話できる数にも限界があるが、里親が見つからなくても保護数をなるべく増やしていく」とし、「ボランティアだけでは解決できない現状を、市と連携することで少しでも変えていきたい」と意欲を見せている。