越谷市谷中町の県立越谷総合技術高校(野口剛志校長)食物調理科3年生の生徒5人が、地元越谷市の特産野菜を使った「中華風おせち」を考案した。旅行会社「東武トップツアーズ」(本社・東京都墨田区)の「高校生おせち」企画で採用が決まり、販売されることになった。
この企画は、同社が調理に関心を持つ生徒を応援しつつ、若者目線の斬新なおせちで地域の魅力を効果的に発信することで、消費者の「旅心につながれば」と、4年前に始めた。今年は初参加の同校を含む14校が参加した。
同校のメニューの監修には、東武ホテルレバント東京(東京都墨田区)の羽田満・中国料理統括総料理長が生徒の熱意に打たれて参加。何度も同校を訪れ、メニュー考案時から具体的な材料の扱い方や調理法をアドバイスした。生徒たちは試行錯誤を繰り返し、「越谷らしい」中華おせちを完成させた。
生徒考案のメニューは、「黒酢の酢豚~越谷産イチゴ入り~」と「エビチリソース~越谷産ネギ入り~」、「赤酢の肉団子~越谷産小松菜入り~」の3品。「酢豚」はイチゴのピューレを混ぜたたれに豚肉を漬け込み、ソースにもイチゴを混ぜた、イチゴの風味たっぷりの酢豚。「エビチリ」はエビに衣をつけて揚げ、細かく刻んだネギをたっぷり入れたソースをかけたもの。「肉団子」は刻んだ小松菜を肉団子に混ぜ甘みを増した。いずれも生徒たちが約1年間かけて準備し試作を重ねて完成した。
おせちは、ほかに「カニ爪揚げ」や「牛ロースの野菜捲まき」、「若鶏のガーリックバター焼き」など全15品でできている。
主に、肉団子に取り組んだ、加藤晋之丞さん(17)は「イチゴの甘さや酸味を出すのに苦労した。何度も試行錯誤したけどできてよかった」と話す。エビチリに取り組んだ島根美馨子さん(18)は「羽田さんの指導がとても勉強になった」。「中華風カステラ」に取り組んだ伊藤隼悟さん(17)は「何度もトライして商品化できてうれしい」。堀井和奏さん(17)は「すべて冷凍するので、味が落ちないように工夫した」。矢口晴輝さん(18)は「食材の利用の仕方などプロの指導でよく分かった」と満足そうだった。
食物調理科の淺井奈保子・教諭は「専門家から手厚いサポートを受けた。生徒たちの将来への希望となり、充実した課題授業となった」と話した。
羽田総料理長は「生徒たちの熱意のこもった中華風おせちを多くの方に味わってほしい」と呼びかけている。
このおせち料理は1個(2~3人前)2万2000円(税込み)。紙製の重箱(2段)入りで200個の限定販売。申し込み締め切りは12月2日。12月30日か31日に宅配される。申し込みは掲載の二次元コードから注文できる。
<申し込み>東武トップツアーズ埼玉教育旅行支店☎050・9001・8762。
高校生が「中華風おせち」考案 越谷総合技術の3年生