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東武よみうり賞に佐野さん・越谷美術協会展

 「第50回記念越谷美術協会公募展」(越谷美術協会主催、東武よみうり新聞社など後援)が12日から16日まで、越谷コミュニティセンター・ポルティコホールで開かれ、約1000人が来場した。
 展示されたのは協会会員の油彩、水彩、日本画、水墨画と、市内在住・在勤の一般公募作品の計105点。審査の結果、「東武よみうり新聞社賞」には同市東越谷の佐野盛太郎さん(71)の油彩「ハルシュタット湖」(50号)が選ばれた。
 ハルシュタット湖は、オーストリア・オーバーエスターライヒ州にある湖。湖畔に家々や教会が並び立つ景観は、世界で最も美しい湖畔の町の一つとして知られ、1997年に世界遺産(文化遺産)に登録された。
 受賞作は湖畔を前面に街並みと山を描いた。水面に写る街並みをリアルに表現し、細密画のように油彩で描いた力作。佐野さんは「受賞は大変驚いたが、とてもうれしい」と笑顔で話す。
 元越谷市役所職員。絵は幼い頃から好きだったが、本格的に油絵を始めたのは退職後。市内のカルチャーセンターの絵画教室に入り、基礎から学んだ。同美術協会展では、2年連続の入賞。佐野さんは「遠近感と湖面に写る街並みを表現するのに苦労した。何度も絵の具を重ね塗りし、約3か月かけてようやく完成した」という。
 世界遺産の旅が趣味。コロナで海外へは約2年間出かけていないが、その前はヨーロッパを中心に世界各地を回った。世界遺産でスケッチと写真撮影をし、自宅に戻って油絵にする。「風景画を中心に描いているが、人物画にも挑戦しています。絵の構想を練っている時も楽しい」と佐野さん。70歳を超えても元気に絵を続けられるのは「会社員としてまだ働いている妻の協力があってこそ」と家族への感謝を忘れない。
 「絵は構図と色、光と影、そして、元気が出て美しいと感じる絵を描きたい」がモットーだ。そして、「まだまだいろいろな絵に挑戦し、一生描き続けたい。将来、個展が開けたら」と熱意は衰えない。