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越谷に憩のカフェ・手作り雑貨発表の場に

 障害を持った人や幼い子を持つお母さん、高齢者などさまざまな人たちが地域で作品を発表する場にしてほしいと、越谷市の主婦、森田由美子さん(54)がこのほど、同市東越谷にカフェと雑貨の店「よつばカフェ」をオープンした。車いすでも入れるようスロープや広い通路があり、手作り品を販売する20個の「ハンドメイドブース」を設置したのが特徴。赤ちゃんのおむつ替えや車いすでも利用できる広いトイレも。森田さんは「作品を見たりトイレを使ったりするだけでも利用して」と呼びかけている。地域の新しいよりどころを目指している。
 森田さんの次男(16)は特別支援学校高等部に通う重度の障害者。2年後の卒業後の進路は未定だが、「(卒業後に)次男も一緒にいられるよう自分の店を持ちたい」と、6年前に越谷商工会議所主催の創業講座「越谷チャレンジ講座」に1期生として参加、創業の勉強を始めた。
 同講座で知り合った女性からカフェの営業に誘われて接客などを体験すると、「カフェ営業は自分に向いている」と考え、会社員の夫(52)の後押しもあって、自分で店を開くことを決意した。空き店舗を探していたら、子どもが幼い頃に通っていた「キッズカフェ」だった店舗が空いていたことから、縁を感じてここに決めた。店名は好きな「クローバー」から「よつば」にした。
 特別支援学校を卒業した生徒は、施設に入るか、在宅で軽度の障害なら、地元の障害者就労事業所で軽作業に従事するのが一般的。福祉系の事業所は製作したものが売れたら対価をもらえるというケースが多く、安定した収入を期待しにくい。そこで、市内や近隣の事業所で製作したものを展示して販売のお手伝いができればと、ハンドメイドブースの設置を考えた。
 ただ、「福祉系だけのスペースしかないと、関係者しか足を運んでくれない。一般の人に知ってもらいたいので20ブースのうち福祉系は2つにして18は一般にした」と森田さん。この読みはずばり当たり、知り合いや地域のハンドメイド作家に呼びかけたところ、すぐに18枠が埋まった。1枠の使用料は1か月2000円。販売よりも展示をしたいという市民から手作りのアクセサリーや造花、革工芸などの作品が集まった。作家が講師を務める「ワークショップ」も好評だ。
 カフェでは週替わりランチをはじめ、パフェやワッフルなどのデザートもある。メニューは森田さんオリジナルの「ひき肉と豆のトマトカレー」「ミートソースボローニャ風」など。29日までは「ハロウィン仕様」のランチメニューを提供している。
 店内に入ると、飲食スペースより広いハンドメイドブースが目を引く。絵本などのブックコーナーも。トイレはおむつ替えシートがあり、車いすと介助者が一緒に入れる広さだ。
 森田さんは「縁があって、こちらに開店した。市内のハンドメイド作家さんたちの展示発表の場となり、市民同士が憩うコミュニケーションの場になれば」と話していた。
 <問い合わせ>よつばカフェ(越谷市東越谷9の30の2)TEL070・3352・4280。