越谷市日本文化伝承の館「こしがや能楽堂」(同市花田)でこのほど、「籠染灯籠(かごぞめとうろう)」を展示する「koshigaya~和akari展」が開かれ、多くの市民が優雅な明かりを鑑賞した。
「籠染灯籠」は、浴衣染めの「籠染め」技術を持つ同市内の「中野形染工場」が、浴衣染めに使用していた真鍮(しんちゅう)製の筒状の形(かた=『籠』)を活用して、同市内のデザイン事務所「ハナブサデザイン」が、灯籠として商品化した。2012年に市内でのイベント時に展示されて以来、活用されている。
今回展示された「籠染灯籠」は14台。それぞれ高さ約40㌢、直径約15㌢。絵柄はチョウやホタルが飛んでいるものや、花などさまざまなで、浴衣地で実際に使用されたデザイン。筒状の灯籠の中には、白熱灯が備え付けられ、淡いやわらかな光を放っている。
同市花田から訪れた主婦(40)は「インテリアにもなりそうな素敵な灯籠。浴衣作りに使われたと聞いて驚いた」と話していた。
「籠染灯籠」をプロデュースした「ハナブサデザイン」の花房茂社長は「浴衣を染めていた形が灯籠としてよみがえり、街並みを照らしている。越谷ならではの和のアートを楽しんでもらえたら」と話していた。
能楽堂に優雅な明かり・「籠染灯籠」の展示会