草加警察署は9月20日、草加市内の綾瀬川で入水自殺しようとした、同市内無職女性を救助した獨協大生2人に、感謝状を贈呈した。
人命救助に貢献したとして感謝状を贈呈されたのは、同大外国語学部フランス語学科2年の冨澤敬達さん(20)と、同大経済学部経営学科2年の今田篤志さん(21)。
同署や2人によると、6月29日の午後8時30分頃、「まつばら綾瀬川公園」のベンチで2人が話していたところ、川の方からバシャンと大きな音が聞こえた。あわてて駆け寄ってみると、川の中で女性が「助けて」と叫んでいた。
突然の出来事に2人は気が動転。すぐに今田さんが飛び込んだものの、暗さと水の恐怖でいったん岸に戻った。今度は冨澤さんが下着1枚になって川の中に入り、川に引きずり込まれないよう今田さんと連携しながら、女性を救出した。
110番通報を受けて、警察官が救急車も要請したが、女性は病院に搬送されることなく、家族に引き渡された。
女性は死のうとして同川にかかるハープ橋から身を投げたが、水を飲むなどして苦しくなり、夜の闇の中で怖さも増して助けを呼んだとわかった。
感謝状を手にした冨澤さんは「救助した3日前に曽祖母を亡くし、葬式も終えて帰って来たばかりで、感情移入していた。助けられてよかった」と話した。
今田さんは「とっさに女性を助けることだけを考え、体が先に動いた。2人で連携して助けることができてよかった」と、安堵の表情を浮かべていた。
會田雄一署長は「自らの危険も顧みず、積極果敢な行動で人命を救助していただいたことに感謝する」と述べた。