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白川さん「将来の生き方」を三郷高で講演

三郷高校の全校生徒に向けて講演する白川さん

 三郷市花和田の県立三郷高校(上田誠治校長)は14日、同市早稲田の不動産会社相談役の白川好光さん(76)を講師に招き、全校生徒約460人に向けて講演会「高校生の今と将来への生き方―実体験から学ぶ社会学」を開いた。

 将来への不安や生き方に悩み中退する生徒もいるため、企画された。コロナ禍のため、生活委員会の生徒25人に対面で、その他の各クラスには映像を配信した。

 白川さんは、秋田県北秋田市出身。生まれながらの障害と7人の父母に育てられ、中学卒業後、大工を志した。上京して24歳の時、工務店を起業し、さまざまな苦難を乗り越えてきた。

 その数奇な半生と自ら切り開いてきた人生観は、NHKのラジオ深夜便でも紹介されたほか、若者に向けた著書も多数ある。

 同校の講演で白川さんは、生い立ちや起業の苦労などを述べながら、「お父さんの苦労、お母さんの愛情を感じ、今、勉強できることに感謝してください」と生徒たちに呼びかけ、「今何をすべきか、どの方向に進めばよいか、目標と夢を持ち人生の設計図を描いてほしい」と力説した。

 白川さんは勉強嫌いで社会人になっても、漢字が書けなかったことから、68歳の時に一念発起、県立吉川美南高校定時制に入学。孫世代と一緒に勉強して卒業し、現在も放送大学で心理学を学んでいる。こうした体験を語り、「精一杯生きることが人生の原点。幸せは他人ではなく自分がつくるもの。自分の長所短所を見極めて、個性を磨くことが、苦難を乗り越える力になる」と強調した。

 講演を聴いた富永心さん(18)(3年)は「夢を持つ大切さや向上心など、これからの自分の指針になった」と感想を話していた。