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「クビアカツヤカミキリの脅威と対策」で講演会 草加

クビアカツヤカミキリの生態や駆除法など解説する加賀谷さん

 間もなく、桜や桃の木などを枯死させる外来昆虫「クビアカツヤカミキリ」が出現するシーズン―。

 「草加環境推進協議会」(髙橋茂仁会長)は5月28日、同市立中央図書館・多目的ホールで、「特定外来生物クビアカツヤカミキリの脅威と対策」と題した環境講演会を開いた。

 中国由来のクビアカツヤカミキリは、2012年、愛知県で国内では初めて発見。13年7月に草加市稲荷の葛西用水桜並木で国内2例目が確認され、被害が全国に拡大中。現在、環境省の「特定外来生物」に指定され飼育や売買が禁止されている。

 講演会では、「森林総合研究所」(茨城県つくば市)の加賀谷悦子・森林昆虫研究領域昆虫生態研究室長が、生態や被害状況、駆除方法などを解説した。

 このカミキリの幼虫は桜や桃の樹木内部で樹皮を食べて成長。2、3年で成虫となり6~8月に出現する。幼虫の数が多いと数年で木は枯れてしまう。

 伐採のほか、薬剤の注入などの駆除法が確立しているが、「予防法がなく、他のカミキリよりも繁殖力が高いので、成虫を見つけ次第捕殺することが重要」と加賀谷室長。

 草加市では、防鳥ネットを桜の木の下部に巻きつけ、成虫を捕殺する駆除法を実施しており、全国に広がっているとか。

 主催した同推進協議会は、手で触れずに、つまようじで刺し捕殺する方法を紹介。また、参加者は、幼虫が寄生している可能性のある、同市文化会館敷地内の桜を見学し、「フラス」(ふんや木くずが混じった物、幼虫のいるサイン)を確認していた。