県知事自らが県内各地の企業や現場などを訪問し、地域の実情を把握する「ふれあい訪問」が11日に行われ、大野元裕知事が三郷市の医療用医薬品卸売業「メディセオ埼玉ALC(エリアロジスティクスセンター)」など、東部地域の3社を訪れた。
同社は最新技術を用いて効率化を進め、関東エリアに医薬品や医療材料などを供給する最先端物流施設。独自開発したシステムで在庫を管理し、ミスや欠品の発生確率を100万分の3回と低減させ、高い出荷制度を誇っている。
当日は木津雅晟・三郷市長も出席し、大野知事と共に同社の説明を受けた後、施設内を視察した。配送先ごとに高速で仕分けができる「ピッキングシステム」や、専用トレーで自動的に収納される「自動倉庫システム」などを見学。その後、新型コロナウイルスワクチン供給に使用された、超低温物流システムの説明を受けた。
視察後は同社の今川国明社長らと意見交換し、大野知事は「薬品の物流がなければ今も大変なことになっていた。今後もワクチンの供給があるので協力をお願いしたい」とし、「関東圏での役割を果たしてもらいたい」と期待を示した。
今川社長は「交通の環境を整えてもらい、市には感謝しかない」と話しながら「地域の医療をどう構築して行くか、今後も検討して行く」と意欲をみせた。
なお、大野知事は同日、「おもしろ消しゴム」の企画製造販売を行う八潮市大瀬の文具メーカー「イワコー」、なまずの養殖と農業の担い手育成に取り組む吉川市三輪野江の「農事組合法人吉川受託協会」も訪問している。