草加市の国指定名勝「草加松原」に隣接する札場河岸公園内(同市神明)などで15日、松尾芭蕉翁像と、同公園に近隣する「おせん公園」の河合曾良像の「お身拭い」が行われ、約60人が参加した。
江戸時代の俳人、松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅に出立した5月16日(旧暦では3月27日)を記念して実施しているもの。
毎年、旅立ちの日の前後に、「草加宿神明庵運営協議会」(青柳優代表)と、「草加市奥の細道市民推進委員会」(上手一雄会長)の共催で行われている。「お身払い」は2004年に始まり、一昨年はコロナ禍のため中止になったものの、昨年、「旅に困難は付き物。困難なこの時期にも芭蕉翁像をねぎらおう」と、お身拭いが再開された。
同日、浅井昌志草加市長も参加し「今後も市の名物である芭蕉像、曾良像をかわいがってもらいたい」とあいさつして、それぞれの像の汚れを拭き取った。その後、参加した市民らが雑巾を手に、像に積もったほこりやごみ、排ガスの汚れなどを拭き取っていった。
同協議会の青柳会長(79)は「一年間、健康で無事に過ごせたことに感謝し、新たなスタートをお願いしてもらえれば」と話し、像を製作した市内の彫刻家、麦倉忠彦さん(84)は「毎年、像をきれいにしていただき、ありがたい」と謝辞を述べた。