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視覚障害者と奏でるハーモニー 草加

 視覚障害者4人が参加している、草加市の「ねずみの森混声合唱団」は6月12日、3年ぶりの定期コンサート「第16回ブリリアントコンサート」を草加市文化会館ホールで開く。

 同合唱団は、草加市中央公民館企画の「視覚障害者と晴眼者のための合唱教室」の修了者を主メンバーに2010年に結成。ソプラノ、アルト、テノール、バスの混声合唱で、月2回、同公民館で練習をしている。メンバーは40人。

 先月22日、同公民館で行われた練習はコロナ感染対策のため2部に分かれて実施。「もっと笑顔で」、「お腹から声を出して」と指導するソプラノ歌手、根津光恵さんの声が響いた。この日は、島根県の盲学校生徒が作詞した「空飛ぶうさぎ」や、ロシアのウクライナ侵攻を意識した「愛に生き平和に生きる」など数曲を練習。本番では、「東京ブギウギ」「群青」など12、3曲を披露する予定。

 視覚障害者のメンバーは、点字楽譜や音声レコーダーなどを使い、晴眼者の団員のサポートを受け練習。発足メンバーの全盲の主婦、渡辺淳子さん(67)は「同じソプラノパートの団員に録音してもらい、歌詞や音程を覚えている。みんなのハーモニーがそろうと気持ちがいい」という。ともに視覚障害者の鍼灸(しんきゅう)マッサージ師の高木重則さん(56)、浩子さん(60)夫妻。2人とも歌うことが好きで、渡辺さんに誘われ、5年前から参加している。

 点字楽譜などで歌詞を覚え「お客さんからもらう拍手がうれしい。今からワクワクする」という。

 指導する根津さん(47)は「障害者の皆さんは集中力が高く覚えは早い」という。島根芳夫代表(73)は「障害者の皆さんに入部してほしい。コンサートを、一緒に合唱を楽しむきっかけにできれば」という。

 公演は午後2時開演。コロナ感染対策で今回は、定員600人に縮小。入場は無料、整理券は23日から、中央公民館などで配布する。

 <問い合わせ>ねずみの森混声合唱団の島根さん☎090・6152・7073。