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ドナルド・キーンさんの顕彰レリーフ建立へ             草加の市民団体が協賛金募る

ドナルド・キーンさんのレリーフ原型と制作した麦倉さん

 日本文化研究者のドナルド・キーンさん(2019年2月、96歳で死去)の功績を称え、草加市の市民有志らが、キーンさんの「生誕100年記念顕彰レリーフ」の建立を企画し、協賛金を募っている。キーンさんの顕彰レリーフは全国でも初めて。

 企画したのはキーンさんとの交流が深い、同市の元市長、今井宏さん(80)が代表を務める「ドナルド・キーン先生を顕彰する会」。今年6月18日はキーンさんの生誕100年。そこで、「奥の細道シンポジウム」はじめ、「奥の細道文学賞」選考委員など同市の奥の細道関連事業に尽力したキーンさんを、「多くの市民や来訪者に知ってもらいたい」と企画したという。

 「キーン先生から奥の細道関連事業を長く続けてほしいと言っていただき、さまざまな場面で助言、指導いただいた。草加市にとっては後世に語り継ぐ大恩人。レリーフ建立で市民の皆さんとその思いを分かち合いたい」と今井さん。

 昨年12月、キーンさんの養子のキーン誠己さん(71)(東京都北区)の快諾を得て写真の提供を受けた。さまざまな表情から、誠己さんの要望もあり、手を組んだ「学者としてのまなざしの表情」を選んだ、という。

 レリーフは、松尾芭蕉翁像(札場河岸公園)などを制作した同市在住の彫刻家、麦倉忠彦さん(86)に依頼。麦倉さんは誠己さんから聞いた、キーンさんの日本文化への思いや人間像を生かして、このほど原型を完成させた。麦倉さんは「日本文化を愛した、毅然とした学者としての表情を出せたと思う」と話す。

 レリーフはブロンズ製、縦40㌢、横70㌢。石の台座にキーンさんの揮毫で好きな言葉「日本を寿ぐ」が刻まれる。7月下旬に同市文化会館敷地内のキーンさん命名の「漸草庵 百代の過客」園庭に建立し除幕の予定。

 協賛金は1口1万円。ゆうちょ銀行の振替払込取扱票(草加市文化会館などで配布)で申し込む。締め切りは7月15日。協賛者の名前は銘板に刻まれる。

 <問い合わせ>草加市文化協会☎048・931・9325。