「買い物に連れて行ってもらいたいのだけれど」「食品などを届けてくれるところは」―こうした在宅高齢者の声に応えようと、八潮市社会福祉協議会(初山繁雄会長)はこのほど、民間サービス事業者などの各種サービスの概要や利用方法などをまとめた冊子「やしお 暮らしのお役立ち帳」を作成した。同社協のスタッフらが、約1年かけて手作りしたもので、一人暮らしの高齢者や高齢者だけの世帯にとっては、暮らしに欠かせない〝お役立ち帳〟となりそうだ。
冊子作成のきっかけとなったのは、2020年に高齢者の食事支援のため作成した「宅配弁当実施店一覧」。
一覧が配布されると、高齢者やケアマネジャーらから、「買い物や出かける際の手助けもほしい」といった声が同社協に寄せられるようになり、サービス事業者の情報を求める問い合わせも増えた。
このため、同社協は宅配弁当以外にも、さまざまな生活支援情報を求める高齢者らが多いとみて、「生活支援サービスの情報を一つにまとめると便利」と作成したもの。
同社協は、各地域包括支援センターに配置されている生活支援コーディネーター、同市長寿介護課と連携して、市内各福祉事業所や高齢者などから、実際に使っているサービスなどの情報を聞き取り調査した。また、同市民がサービスを受けられるかどうか、サービスの詳細などを事業者に問い合わせしながら、約1年かけて冊子を完成させた。
冊子には、県の「プラチナサポートショップ」(高齢者の暮らしを支えるサービス実施の民間事業者)も一部取り入れて、計47業者を掲載している。編集、製本などすべて同社協スタッフの手作りだ。
掲載したサービスは、健康に配慮した食事の「宅配弁当」、食品・雑貨の「宅配サービス」、買い物したものを届ける「買い物支援」、用事や買い物に出かけたい時の「移動支援」、自宅でヘアカットの「理美容出張サービス」など8種類。宅配弁当業者には安否確認サービス付きのものもある。併せて、シルバー人材センターの「福祉・家事援助サービス」、市商工会の「八潮たすけあいサービス」、社会福祉協議会の「ひとり暮らし高齢者見守り活動」も掲載した。
担当した同社協の生活支援コーディネーターの植田恵美さん(47)は「住み慣れた地域で暮らしていきたいという高齢者の一助になればとの思い。今後も地域に適したサービスを掘り起こし、充実した冊子にしていきたい」と話している。
冊子はA4判、22㌻。800部作成し、同社協のほか、やしお生涯楽習館など公共施設で配布。複数部が必要な場合は同社協まで。
<問い合わせ>八潮市社会福祉協議会☎995・3636。