まちの魅力を発信するために、動画や音声、写真を駆使してみては――。草加市原町の県立草加西高校(市川啓二校長)の生徒たちが、同市の公式ツイッター(インターネットの簡易投稿サイト)の改善案を独自に作り、11日、同市役所で浅井昌志市長らに提案した。生徒たちは昨年7月から、市の広報担当職員らとの意見交換を重ね、改善案を3点(動画、音声、写真)に絞った。同市は今後、公式ツイッターで高校生のアイデアを発信して反響、効果を検証する。「検証結果を見て4月から本格的にスタートしたい」としており、若い視点からの改善効果に期待を寄せている。
浅井市長らの前でプレゼンテーションを行い、アイデアを提案したのは、同校の普通科3年生の「情報科選択クラス」の8人。学校と地域や企業をつなぐ、県教育委員会の「越境×探求!未来共創プロジェクト」に同校が応募。草加市側も快諾したのがきっかけ。
テーマは「ツイッターを使った草加市の魅力発信方法」。8人は国指定名勝「草加松原」や特産のせんべいをはじめとした草加の魅力を、よりインパクトのある方法で発信するにはどうすればよいか、3つのチームに分かれて検討を重ねた。その結果、「動画」「音」「写真」の3点に着目。
早速、動画担当の「我ら西高草加市応援し隊」、音声担当の「草西soundプロジェクト」、写真担当の「草加グルメしか勝たん」として、具体案を煮詰めていった。
プレゼンで、「動画」チームは、実際に生徒がスマートフォンのカメラを使って、草加松原を昼夜走る映像を提案した。リーダーの矢作幹太君(18)は「見せ方や時間によって雰囲気が変わる。旅行気分を味わってもらいたい」と動画の狙いを説明した。
また、「音声」チームは全国で唯一、同市だけで生産している「おきあがりこぼし」の“音色”に着目した。リーダーの藤井和憲君(同)は「『おきあがりこぼし』の音色は癒やしにつながる」と音声による効果を強調した。
一方、「写真」チームはグルメに注目し、スイーツの写真を多用するなどし、「見やすさ」を追求した。リーダーの石井杏奈さん(同)は「今以上に若者が興味を持つ内容の発信を」と力を込めた。
若者ならではのアイデアの発表に参加した県教委や市職員らも熱心に耳を傾け、浅井市長は「貴重な意見を参考にして情報発信力の強化に取り組んでいきたい」と述べた。同市は公式ツイッターで高校生のアイデアを発信し反響を検証した上で、4月には新たな形のツイッターを発信していく予定だ。
高校生チームのメンバーは次の通り。
我ら西高草加市応援し隊(動画)=矢作幹太、宇田川裕貴(18)、小泉明日花(同)▽草西soundプロジェクト(音声)=藤井和憲、多田遥香(18)、内田冴(17)▽草加グルメしか勝たん(写真)石井杏奈、伊藤あかり(18)