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草加/故障時の電源確保にEV

エレベーターで稼働訓練

 草加市瀬崎の「谷塚コリーナ」でこのほど、EV車を使用したエレベーターの稼働訓練が実施された。
 定期的な全館停電保守作業日を利用し、電気系統設備が故障したと想定。レンタルした電気自動車を、駐車場棟屋上にある専用充電設備に接続し、通常は電力会社から電力が供給される回路をEV車から供給する回路に切り替えて、エレベーターを稼働させた。動かしたのは3台中1台のみだったが、EV車からの電源供給でエレベーターが稼働することを確認した。

EV車によるエレベーター稼働訓練を行う非常用電源設備検討委員会のメンバー


 訓練の中心となった非常用電源設備検討委員会のメンバーらは、「全館停電で暗い中、足元を照らすライトなどを使用しながらの訓練ではあったが、EV車の充電が8%程度でもエレベーターが10往復は可能だった」「緊急的な電源確保の手段になり得る」などと手応えを感じていた。

 今回の訓練は、2019年に猛威を振るった台風19号の影響で、神奈川県川崎市の武蔵小杉駅周辺のタワーマンション地下にある電気系統設備が浸水し、停電と断水が発生したのがきっかけ。特に高層階、高齢者の住人にとってエレベーターが使用できないのは大きな負担となった。

 「谷塚コリーナ」は地上25階建てで、352世帯約700人が住んでいるが、そのうち高齢者が約4割を占める。電源の切り替え盤は3階の集会室に設置されている。