要望に応えた1点物 浅川麻美さん
「地域の人が喜ぶ物を試行錯誤しながら作り上げ、喜んでもらえるのがうれしい」と話すのは〝デザイナーがいる雑貨店〟を経営する浅川麻美さん(43)。
2022年7月、三郷市岩野木にデザイン事務所併設のハンドメイド雑貨店「La casetta di citta (ラ カゼッタ ディ チッタ)」をオープンした。
「チッタのちいさなお家」という意味で、森に住む女の子が「好きなものを集めたお家」がコンセプト。未就学児向けの物が多いが、それを購入する大人の女性が主なターゲット層という。
開店当初は仕入れたものを販売していたが、ハンドメイドの一点物が人気と知り、現在は「全て自分が企画した物」と話す。
開店以来、客との会話から多くのヒントを得て、小学校向けの箸袋やオリジナルグラフィックのTシャツなどを制作、販売してきた。人とのつながりも増えたことで、一昨年には保護猫活動を行う団体向けにチャリティーTシャツのデザインなどを担当した。
昨年は、これまで販売してきた「おままごとエプロン」に、要望の多かった三角巾を付けてリニューアル。ピンクリボンの啓発イベントでは、子どもでも付けやすいピンク色のニットヘアゴムなども作成し、売り上げの半分を寄付した。また、温めなくても保温効果があり、繰り返し使えるエコな「もぐさの天然カイロ」も企画。もぐさパックや布ライナーをセットにした女性向けの「もぐさのあったかライナーset」もリリースした。
朝霞市出身。幼い頃から絵を描くことが好きだった。高校卒業後、専門学校で服飾を学んだ。卒業後はベビー・子ども服用品会社、レディース専門商社などを経て独立。「自分のブランドを作りたい」と思い立った。販売するのは機能性を優先しつつ、かわいさも持たせたものにすると決めた。
「陳列はド素人なので毎日試行錯誤だが、最近ようやく店らしくなってきた」と笑う。
「今後はこれまでの経験を生かして、洋服の販売にも力を入れながら、地域の人たちを掛け合わせて多くのことに挑戦していきたい」と目を輝かせている。