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越谷/遊びの中で防災訓練 楽しんで水消火を体験

子育て世代交流 災害時 地域連携に

消防団員から消火器の使い方を教えてもらう子どもたち
消防団員から消火器の使い方を教えてもらう子どもたち

 遊び場の中で防災訓練を行う「あそぼうさい」がこのほど、越谷市南越谷5の南越谷第一公園で開かれた。子どもたちを自由に遊ばせ、地域の交流も図りながら、子育て世代に防災意識を高めてもらおうという狙い。「南越谷四・五丁目自治会」(竹ノ内稔会長)、特定非営利活動法人「越谷にプレーパークをつくる会」(渕野彩子代表)、地元の消防団、昔遊びを教える老人会「南越友の会」、子ども食堂「越谷こどもかふぇ食堂ぽらむの家」などが参加し、遊びと防災をコラボした。子どもや保護者らが楽しみながら防災を体験し、主催者は「新しい形の防災訓練ができた」と手応えを感じていた。
 防災訓練は、かまどで火をおこすことから始まった。お湯を沸かし、アルファ米の五目ご飯100食分を作った。子どもたちは火を使って、焼き芋やマシュマロを焼いておいしそうに頬張った。
 地元の消防団の協力で消防車も登場。子どもたちはポンプ車に触ったり写真を撮ったりした。また、通常大人が行う水消火器訓練には多くの子どもたちも喜んで参加した。
 同自治会では、子育て世代が多い地域にもかかわらず子どもたちの交流の機会が少ないという課題があった。子ども会の活動が休止になったのもその一つだ。そこで、「プレーパークをつくる会」が所有する、遊び道具を積んだオリジナルカー「ころりん」を出動させて、プレーパークを開催することになったのが始まり。自治会と内容を検討する中で、同公園にかまどが設置されていることから、これを使った防災訓練を一緒にやろうという話に発展。防災用のかまどにもかかわらず10年以上も火を入れていないこともあり、自治会の訓練にもなると考えた。
 さらに、南越友の会が子どもたちにベーゴマや割り箸でゴム鉄砲を作って的当てを教えたり、ぽらむの家がキッチンカーでカレーを提供したりできるというように話が広がり、最終的には大がかりなイベントになった。
 渕野代表は当初、「初めての試みで、どうなるかわからない。新しい防災訓練の形の一つとして提案できれば」と話していた。だが、実際にやってみると、自治会の加入世帯だけでなく多くの子どもたちが集まり、保護者や自治会役員らの笑顔が絶えないイベントになった。
 「防災には日常的な地域の人たちのつながりが不可欠。その手伝いを遊びの力で多少できたのではないか」と渕野代表はうれしそうに話した。そして、「自治会活動の活性化のためにチャレンジしたプレーパークだった」と成功を喜んでいた。
 同自治会の佐々木清副会長は「うちは1200世帯ある大きな自治会だが、高齢化が進み、子どもを遊ばせたくても資源がない。こうしたイベントができてよかった。年1回、プレーパークやキッチンカーと一緒にイベントをやりたい」と話していた。